終わりのない行…。
答えのない生…。
何もない私…。
くりかえし、くりかえす、想い…
それでいい。
—渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET)
意味や意義すら消費され尽くされたポスト飽食の荒野に立ち、投げかけるアブストラクトの塊、根源的な意味や意義。
願わくは多くの方に刺さらんことを。
—井上薫(Aurora Acoustic / Chari Chari)
リキッドルーム内にある、ギャラリーKATAでは、3月6日より山本浩二 展 “谺 kodama”を開催致します。
「shigure=時雨」と呼ばれる画法により描かれた油彩画を中心に、およそ30点の展示を予定しております。
山本の代表的な画法「shigure=時雨」とは、1950年代に活躍したアメリカの画家Jackson Pollockに代表されるドリッピングやアクション・ペイン ティングと同様に、意図的な絵具の滴りや飛沫で描かれる独自の画法です。画面を覆う数多の点が互いの因果性によって全体の構成を成すことで、各々の存在が必然であることを示すと共に、そうした 在り様から人間、社会、歴史に纏わる様々な事象、現象への想起を促し、それらに内在する波動を表現しています。
「shigure=時雨」という呼び名は絵具がカンヴァスを覆ってゆく様子やその際に発する音に由来しています。降り出した雨がアスファルトを濡らしてゆく様子に閃きを覚え、そのとき聴いていたポストロックやエレクトロニカ、ノイズ、シューゲイザーなどの音楽との重なりから制作衝動が生まれました。
「自身の存在や生への渇望を体現しています。 私にとって創作は自身との対峙であり、常に私を見つめる私の眼差しがあります。『私は何であるか、或いは、私は何であり得 るか』という問いに、私は絵筆を握り、その手を動かし、応えてゆきます。そして、カンヴァスに残る『生』の痕跡を見て思うのです、 これが私だと。その答えを以って、私という存在への了解を得たいのです。」 山本浩二
絵から見て取れるように、生々しい感情がそこにあります。作品と対峙することで自身と向き合い、感情のざわめきに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。存在とは何か、生とは何か、作者の問いかけを作品を通してご覧頂ければ幸いです。是非ご高覧ください。 KATA 佐々木奈美
3/16(日)18:00にて終了